自社のシステム開発について考えている方から受ける質問として、
- どんなプロジェクトがオフショア開発に向いているか分からない。
- オフショア開発は、人件費が安くなる以外のメリットを知りたい。
- オフショア開発のデメリットを教えてほしい。
といったものがあります。そこで、今回はオフショア開発コンシェルジュの視点から、オフショア開発のメリット・デメリットについて紹介していきたいと思います。オフショア開発のメリット・デメリットをしっかりと把握し、オフショア開発を行うかどうかの参考に是非してみて下さい
オフショア開発のメリット1:コストカット
オフショア開発を行う最大のメリットは、やはりシステム開発のコストカットとなります。急成長を遂げ物価が上昇中の中国やインドでも、エンジニアの人件費は安く、日本で雇う場合の1/2程度です。ベトナム、フィリピン、ミャンマー等のオフショア開発国に至っては、エンジニアの人件費はまだまだ抑えられており、日本の1/3~1/5程度となっています。人件費が浮いた分すべてが利益になるわけではありませんが、オフショア開発を行うことで、日本で開発する場合と比べて平均20%~30%程度のコストカットが可能です。オフショア開発を外注する国やプロジェクト内容によっては、それ以上の大幅なコストカットも見込めます。
オフショア開発のメリット2:優秀なエンジニアの確保
オフショア開発のメリットとして、優秀なエンジニアを確保しやすいという点も挙げられます。日本では、どこの会社も優秀なエンジニアを確保することに苦労しています。高い給与を準備しても人材の確保ができないというシステム開発の会社もあります。日本のシステムエンジニア数は約77万人ですが、主なオフショア開発国である中国のエンジニア数は約145万人、インドも約144万人と日本のおよそ2倍にもなります。(参照:IPA「グローバル化を支えるIT人材確保・育成施策に関する調査」)
単純にエンジニア数だけを見るだけでも、エンジニアを確保しやすいことが分かります。また、インドやベトナムではIT教育に力を入れており、優秀なエンジニアも豊富に抱えています。日本で雇った場合より安い費用で優秀なエンジニアを雇うことができるのは、依頼する側にとっては大きなメリットといえるでしょう。
オフショア開発のデメリット1:コミュニケーション問題
オフショア開発の最大のデメリットが、言葉・習慣が異なることで生じるコミュニケーションの問題です。言葉が違うため、システム開発の設計についてこちら側の意図が相手に上手く伝わらないという場面が出てきます。また、オフショア開発を依頼する国によって特有の作業の進め方が出てくる場合もあり、日本のようなイメージで進捗を管理することは難しいでしょう。現地のブリッジSEとの打ち合わせがプロジェクトの成否を握っています。
オフショア開発のデメリット2:小規模のシステム開発ではコストカットが難しい
人件費が安くても、小規模のシステム開発では大幅なコストカットは見込めません。エンジニアの人件費は安くなっても少人数であるし、ブリッジSEやコミュニケーターといったオフショア開発特有の経費が必要になるからです。小規模のシステム開発は、オフショア開発を行うに向かない場合が多いでしょう。
オフショア開発のデメリット3:開発費用の増加
出来上がったシステムに満足できず、何度も修正を繰り返すとそれだけ開発費用はかさみます。見積もりの段階では大幅なコストカットが見込めたのに、終わってみると日本で開発した場合とあまり費用が変わらなかったという場合は、このケースによく見られます。システムの設計段階でしっかりとお互いの考えをすり合わせておきましょう。
「オフショア開発の単価相場を知って適正な見積もりを引き出そうの」まとめ
オフショア開発のメリット・デメリットについて以下のような内容でお話してきました。
- オフショア開発のメリット1 コストカット
- オフショア開発のメリット2 優秀なエンジニアの確保
- オフショア開発のデメリット1 コミュニケーション問題
- オフショア開発のデメリット2 小規模のシステム開発ではコストカットが難しい
- オフショア開発のデメリット3 開発費用の増加
オフショア開発は、コストカット等のメリットは非常に魅力的ですが、確実にデメリットも存在します。メリットとデメリットのバランスを判断し、自社で抱えるプロジェクトがオフショア開発に向いているかどうかを判断しましょう。