大幅なコストカットが見込めることで、システム開発に取り入れることが増えているオフショア開発。しかし、海外の会社に依頼するということで、言葉、仕事のスタイルの違いを理由に失敗することも見かけます。そこで今回は、オフショア開発の成功例・失敗例を紹介していこうと思います。成功例・失敗例を参考にして、自社の場合はどのようにするか考えながら読んでみてください。
オフショア開発成功例1:第3者機関から評価を受けている会社を選んだ
第3者機関から技術力について査定を受け、評価されている会社は信頼性が高く、オフショア開発で依頼した場合の成功確率は非常に高くなっています。エンジニアの質や作業実績が保証されている会社を選べるかどうかが、オフショア開発においては非常に重要なことです。その点、第3者機関に評価されていれば、一定の水準はクリアしているため、大きく会社選びで失敗しないのです。また、第3者機関評価されている場合、評価項目からその会社がどんな分野に強みを持っていたり、逆にどの部分に課題を抱えているか知ることもできます。評価項目を参考にしながら、課題が改善可能なものなのかを話し合うことは、オフショア開発のリスクを下げることにつながります。第3者から公正に評価された内容を参考にして、オフショア開発を依頼する会社を選ぶようにしましょう。
オフショア開発成功例2 依頼する会社の得意とする開発分野を調べていた
オフショア開発を依頼する会社の得意・専門としている開発分野を調べておくことで、依頼する案件との相性がよくなりスムーズに開発が進むことが多いです。オフショア開発を依頼する会社を決めた後、他の仲介会社からもその会社の情報を聞くなどして情報収集に努めましょう。1社のみでなく複数から聞き取りをすることで、より会社の得意としている分野や実績などの情報を集めることができます。また、開発分野だけでなく、取引が多い国も調べておきましょう。オフショア開発を依頼する国は、日本だけではありません。アメリカやEUなどの国とのやり取りが多い会社も当然あります。日本企業からの依頼が多い会社を選ぶようにしましょう。単純にエンジニア数だけを見るだけでも、エンジニアを確保しやすいことが分かります。また、インドやベトナムではIT教育に力を入れており、優秀なエンジニアも豊富に抱えています。日本で雇った場合より安い費用で優秀なエンジニアを雇うことができるのは、依頼する側にとっては大きなメリットといえるでしょう。
オフショア開発成功例3:長期の関係を見据えていた
一度だけでは大きなコストカットができなかったものの、長期で依頼することによって大幅なコストカットが実現したケースもあります。長期的な関係を見据えた依頼は、オフショア開発では重要です。最初のころは、お互いの仕事への取り組み方ややり方が分からず、仕様書の修正や進捗管理ができなかったりして思った様なペース・コストで仕事ができない場合もあります。言語、距離、文化がちがうため、オフショア開発は当然出てくる課題となります。しかし、2度、3度と仕事を重ねていくうちに、こちら側もオフショア開発側もお互いの理解が進み、仕事がスムーズに進むようになっていくものです。今までかかっていた分の時間や行程が効率化されることで、今までかかっていた修正コストも減り、大幅なコストカットも実現しました。お互いの理解が進むことに比例して、オフショア開発の成功確率が高まることも実証されています。中にはお互いの友好関係を深めようと、視察訪問を定期的に行っている会社もあるほどです。オフショア開発では、単発の案件を依頼するより、長期的な関係を前提として契約をすると成功する確率も高まります。
オフショア開発失敗例:設計書や仕様書が曖昧に書いてしまった
システム開発の設計書や仕様書が曖昧に書いていたため、修正に時間がかかってしまい、予算の関係上納得いかない水準ながら開発を断念したケースもありました。日本の開発会社に依頼を出すように、分からないことがあったら、その都度連絡を取り合って解決するということはオフショア開発は向いていません。再度、仕様書や設計書を作るのは非常に時間もコストもかかってしまいます。日本側ですることとオフショア開発側ですることを明確にしておきましょう。
オフショア開発のデメリット3:開発費用の増加
出来上がったシステムに満足できず、何度も修正を繰り返すとそれだけ開発費用はかさみます。見積もりの段階では大幅なコストカットが見込めたのに、終わってみると日本で開発した場合とあまり費用が変わらなかったという場合は、このケースによく見られます。システムの設計段階でしっかりとお互いの考えをすり合わせておきましょう。
「オフショア開発の成功・失敗例から学ぼう」まとめ
今回は、オフショア開発の成功・失敗例について以下の内容でお話してきました。
- オフショア開発成功例1 第3者機関から評価を受けている会社を選んだ
- オフショア開発成功例2 依頼する会社の得意とする開発分野を調べていた
- オフショア開発成功例3 長期の関係を見据えていた
- オフショア開発失敗例 設計書や仕様書が曖昧に書いてしまった
国の違いから思ってもよらないことが問題となることがオフショア開発です。しかし、その課題を解決するために様々なノウハウは蓄積されています。また、日本では考えられない予算での開発が可能となるのもオフショア開発です。今回紹介した内容を参考にして、オフショア開発を導入するかどうかを判断してみてください。